公開日: 2019年12月10日 - 最終更新日: 2020年3月30日

泰豊トレーディング

JAPAN BONSAI 編集部
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盆栽とは切っても切れない縁の、針金。一般的な針金は鉄線だが、盆栽用は銅線が主流だ。たかが針金と思うなかれ。実は盆栽用の針金、なかなか奥が深いのである。

盆栽文化を針金で支える誇り

盆栽用の針金を扱って半世紀以上

古くから盆栽に携わっている方は、白金商事有限会社という社名のほうがピンと来るかもしれない。盆栽の樹形づくりに必要な針金の卸販売を始めて半世紀以上。泰豊トレーディング株式会社の代表取締役、菅野 豊さんは銅線のスペシャリストだ。

白金商事は親父が興した会社でしてね。創業は1946年。伸銅品地金商として、銅線とか銅板を販売していました。成田山新勝寺の御用達でして、新勝寺の銅屋根はうちが納めているんですよ。そもそも成田会を作ったのは親父ですしね。

私が親父の会社を手伝い始めた50年以上前から、日本盆栽協同組合さんとは付き合いがありますし、盆栽園さんには銅線を卸していました。当時の盆栽家さんは恐かったなぁ。銅線に配達に行くとね、「半チャン終わるまで待ってろ!」とか言われるんですよ。昼間っから麻雀してるんですね。いまと違い現金取引ですから、終わるまでクルマで待ってましたよ(笑)。

そう語るのは菅野さん。ちなみに、当時販売していた銅線は“ピカ線” 。つまり銅線になってから熱処理をしていない商品だ。

昔はね、盆栽家さんが火をつけた藁の中にピカ線を入れて、いぶしたんですよ。そうして自分好みの硬さに調整していたんですね。色も黒くなって目立たなくなりますし。

約37年前、菅野さんは白金商事から独立。アルミやステンレス、銅、真鍮など、あらゆる金属材料を販売加工する泰豊トレーディングを興し、今では引退された先代(兄)の後を継ぎ、白金商事の代表取締役も務めている。もちろん、針金はいまでも扱っている。

いま、うちが扱っているのは“焼き銅線”ですね。国内大手メーカーの無酸素銅線(純度99.99%)を伸線後、特殊焼純加工を施して、色調と硬さを整えています。針金掛けをしても樹木にあう色合いで、美しいとのお声を頂いておりますよ。

焼き銅線は2タイプあり、赤い銅線は電気の窯で軟らかくして、特殊処理を施した物。黒い銅線はさらに、3工程ほど加えた一品で、佳由架(かゆか)というブランド名で販売されており、盆栽の神様、木村正彦氏は以下の推薦コメントを寄せている。
「焼き銅線“佳由架”は色合いもよく、樹木にとけこみ、盆栽の作品づくりには欠かせない整枝用銅線です。大きな盆栽に使用する6番手の太さから、細かな部分に重宝する22番手の細い番丁まで各種揃っており、“硬さ”にもこだわったとても扱いやすい銅線です」
泰豊トレーディングでは、銅線以外の針金も扱っているとか…。

盆栽用の針金と言えば銅線が主流ですが、うちではアルミ線も扱っています。高純度アルミ線(純度99.7%以上)を伸線後、焼鈍加工。さらに光沢のある生地材とその素材に特殊アルマイト加工を施して、“色調”と“硬さ”を整えました。

佳由架ブランドのアルミ線は、盆栽講師として、また小品を得意とする盆栽家として有名な山崎ちえさんもご愛用だ。山崎さん曰く、「佳由架のアルミ線は、サイズが豊富に取り揃えられているのが嬉しいですね。枝に巻き付けるときの柔らかさがとても気に入っています。特に小品盆栽のような若い樹、細い樹には、細い線形のワイヤーが便利です。色鮮やかなカラーアルミ線は、新しい盆栽の展開に楽しみな素材です」とのことだ。

泰豊トレーディングにとって、盆栽関連の業務はごく一握り。ホームセンターや東急ハンズなどに商品を卸すのがメインである。針金に後処理をしたり、小分けにしてお買い求めやすくするなど、手間ばかりかかる商売だが、なにゆえ続けているのだろうか?

盆栽という文化を陰で支えている…という誇りですかね。こういう商売をやるところが他になかなかないですから、大事にしていかなければと思っています。

『佳由架』の問い合わせ先

<問い合わせ先>
泰豊トレーディング株式会社 
〒101-0061 
東京都千代田区神田三崎町2-4-1 TUG-Iビル10F 101
TEL03-5210-3171(代) 
FAX03-5210-7921
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