花もの盆栽の代表格、さつき。春には新芽の緑が美しく、初夏には見事な花を咲かせ、秋には紅葉と一年中楽しませてくれることもあり、多くの愛好家を惹きつけている。そんなさつきとともに50年。『さつき研究』は日本で唯一のサツキ盆栽専門誌だ。
日本で唯一のサツキ盆栽専門誌『さつき研究』
創刊600号を迎えた由緒ある専門誌
さつき、さらに山野草の本と言えば、株式会社栃の葉書房が有名だ。サツキ盆栽専門誌『さつき研究』は、昭和45年発行の記念すべき第1号以来、こつこつと号を重ね、ついに今年の3月号で創刊600号を迎えた。ひとつの植物だけで50年も続く専門誌などそうそうなく、枠を専門誌に広げたとしても、日本で指折りの歴史を持つことは間違いない。
栃の葉書房の生い立ちを紐解くと、昭和40年代のさつきブームまで遡る。このブームをきっかけに、先代が出版社を立ち上げたのだ。元々あった出版社がブームに興じて専門誌を作ったのではなく、さつきを愛した先代が、さつきの専門誌を販売するために作った出版社なのである。
編集内容は、さつきに関することなら何でもOK。さつき(花)の時期は5月中旬~6月中旬の約1ヶ月間。栃の葉書房が把握しているだけで、この間に全国300か所くらいで展示会があるそうだ。その中から約100か所の展示会を取材。展示会は各地のさつき愛好会の皆さまが主催しており、公民館やショッピングセンター等で催されることが多いという。そこで話を聞き、写真を撮り、1年分のネタをストックするのだ。この他、早春や秋など手入れの時期は剪定や植え替えなどの実技取材を行ったり、年間を通してさつきを愛好する人物にスポットを当てた記事などを制作している。
さつきは毎年、50種類くらいが新花登録される。育種される方も多く、新しい品種が続々と生まれているわけだ。文献に残る品種まで含めると、さつきの種類は5000〜6000にもなるという。これだけ種類が多いと、図鑑が欲しく…。さすがは栃の葉書房、永年のデータ蓄積、さらに抜群の機動力を活かし、『さつき図鑑』も発行している。最新の令和版図鑑には1400種が掲載されており、2014年以降の最新品種は全て網羅されているというから驚きだ。
『さつき研究』がこれだけ長く続けられてきた要因のひとつとして、栃の葉書房の所在地が関係する。栃の葉書房は栃木県鹿沼市にあり、鹿沼と言えば“鹿沼土”。さつきを栽培するのに鹿沼土が最良とされており、そんな土地柄から鹿沼市にはさつきの専門業者が多いのだ。つまり、地元から愛されている専門誌なのである。
栃の葉書房では『さつき研究』の他に、「趣味の山野草」も毎月発行している。さらに各種ムック、はたまた外国語版のハウツー本も発行しているため、さつきや山野草に興味を抱いたら、是非とも手に取っていただきたい。
『さつき研究』購読方法
最寄りの書店、または栃の葉書房に直接お申し込み下さい。インターネットでの購入も可能です。
B5判・120頁
定価1,100円(税込)
株式会社栃の葉書房
〒322-8688
栃木県鹿沼市御成橋町一丁目3002-24
0289-65-3311(営業部)
B5判・128頁
定価1,100円(税込)
株式会社栃の葉書房
〒322-8688
栃木県鹿沼市御成橋町一丁目3002-24
0289-65-3311(営業部)